地上のどんな律法も、大海原には及ばない。海は彼ら海賊のもの。若輩の女性ながら、7つの海の海賊を束ねる棟梁となったアンドレア。彼女が海賊王となったのは、力の故ではなく、その器量のためだった。
せっかく海に平和が訪れたのだからと、彼女は跡継ぎの子供を望まれていた。しかし、海の荒くれさえ畏れる女性とあって、なかなか男ができなかった。そこで、生まれて初めて陸おかに上がってみることにしたのだった。噂の勇者なら、自分にふさわしい男ではないか──そう考えて。