創立が1910年(明治43年)にまでさかのぼる、由緒正しきカトリック系ミッションスクール。 全寮制の一貫教育。 閑静な山の中に広がる女学生の園。 その敷地面積は優に数百ヘクタールにも及び、広大である。 抜群の生活環境、宗教を取り入れた高い道徳教育、そして何より“ヴァンセンヌ”というブランドが、いまなお全国の良家の令嬢を惹きつけてやまない。 |
学園の表門。 脇にはGardienne(守衛)が控え、人の出入りを厳しく監視している。 部外者が容易に入れないのはもちろんだが、生徒も自由には外出できない。 生徒の外出は夏休みと年末年始に限られている。 主人公は“男子生徒”として、この門をくぐることになる。 |
“Etroite Chemin”という名前が付けられた小路。意味は“狭い道”になる。 名称の由来は、福音書の「狭い門から入れ」(マタイ7章)という言葉から。 |
入学シーズン、桜は花開いて、新しいFilles De La Vincennes(ヴァンセンヌの乙女)を出迎えてくれる。 もし桜の精といった存在がいるならば、ここを通った主人公に目を丸くしたことだろう。 |
建て替えたばかりの校舎は、近代的な外観を呈している。 校舎は左右に向かい合うようにして建ち、向かって左が中期課程の校舎、右が主人公も属する後期課程の校舎となる。 奥に見えるのは、学園のシンボルでもあるカリヨンの時計台。 ヴァンセンヌでは一般的なチャイムの代わりに、典雅な鐘の音が打ち鳴らされる。 |
時計台の内部。 夏になると、ここで肝試しが催されることもあるようだ。 |
カリヨンとは「半音階に調律された23個以上のベルのセット」のこと。 一種の楽器である。 ヴァンセンヌにあるカリヨンはこの定義を満たしていないが、昔からカリヨンと呼び習わされている。 ヴァンセンヌのシンボルである。 |
主人公と理瀬の所属する、後期課程2年C組の教室。 主人公と理瀬の席は隣り合っていて、慣れない女子校生活で戸惑いがちの主人公を、理瀬はなにかとサポートしてくれる。 |
中期課程と後期課程、合わせて463名(+主人公)が暮らす寮。 ヴァンセンヌは全寮制の学校であり、自宅の近い遠いにかかわらず、全員が入寮することになる。 校舎と同時に建て替えされ、最高の住環境を提供している。 正面に見えるのは聖母マリア像。 多感な年頃の少女たちを、日々見守ってくれている。 |
主人公に用意された寮の一室。 「こんないい部屋、初めて住んだ」というのが、彼の正直な感想だった。 |
生徒会および白百合会・紅薔薇会の本部がある建物。 白百合会の一員となった主人公は、放課後は毎日ここを訪れるようになる。 |
白百合会の本部。 放課後になると、理瀬とその仲間たちは、来年の変革に向けて計画を練っているらしい。 |
白百合会と紅薔薇会はライバル的な関係にあるが、決していがみ合っているわけではない。 気持ちのいい陽が降り注ぐ日には、この中庭に移動して、お茶を飲みながら他愛のない雑談を楽しむ。 |
国の重要文化財にも指定されている聖堂。 ヴァンセンヌは元はフランスから来日したカトリック系ミッション(宣教団)が設立した。 そうした来歴を伝える建物。 全校生徒を楽々収容できるほどの広さを持ち、重要な集会のあるときなどに使用される。 また、静謐な雰囲気を求めて放課後をここで過ごす生徒もいるらしい。 噂によると、律子はよくここを訪れているようなのだが……。 |
生徒たちの憩いの場。 花の香りに包まれて、お茶をいただくのが、ヴァンセンヌの乙女たちのたしなみとなっている。 |