暮羽が声をかけてきたことで、主人公の運命は大きく動き始める
見覚えのある顔だった。たぶん、クラスメートだろう。
ただ、これまで喋ったことはなかったが……。
【慎司】「なに?」
【暮羽】「あたしは桐遠暮羽。……クラスメートだけど、初対面に近いから、一応、ね」
軽く頭を下げてくる。俺も会釈で応じた。
まどかによると妙に俺を見ていた(監視?)らしいが、べつに変わった人物には思えない。
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誰もいないはずの席に、人の姿がある
【塚田先生】「次、遠野は休み……と。先ほど親御さんから連絡があった……」
【慎司】(あれ……?)
俺は何気なく教室内を見回した。今日は席は全て埋まっていたような気がするが……。
一列一列、机を確かめて、俺は次第に顔が強ばっていくのを自覚した。
空いている席は、確かにない。
だったらどうして先生は遠野という生徒が休み、などと言うのだろう?
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幼馴染みのまどかとは、部屋に居ながらにして喋ることができる
【まどか】「おーす」
【慎司】「おす」
俺の部屋とまどかの部屋は隣合っていて、こうして窓を開けるだけで直に話すことができる。
だから、夜とか、他愛のない雑談を交わすことも多かった。
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暮羽が構えると、愛用の扇子が不思議な輝きを放ち始めた
【暮羽】「この化け物を倒すには、よく切れる刃物が必要だわ」
【暮羽】「とてもよく切れる奴がね……」
【敵】「ヒヒヒ……刃物ぉ……? 肉切り包丁ならもうとっくに溶けてしまっていますよ……ギャハ……アハハハハ……」
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真幌の能力
【真幌】「わたしは現実に留まったまま、夢の世界を俯瞰できるの」
【真幌】「だから、立場上、司令塔のような役割をさせてもらうから、よろしくね」
【慎司】「は……はあ……よろしく……」
【真幌】「びっくりした?」
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美冬の能力
衿坂は空中に絵筆を走らせた。
美術部員だけあって慣れていて、よどみのない、滑らかな動きだ。
そして、絵筆が走るにつれて、そこに、形が浮かび上がってきた。
まるで、透明なカンバスがあるかのように……。
【美冬】「これが、私の能力。夢の中での、ね」
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初音の決意
いったん言葉を切ると、彼女は迷いを振り払うように顔を上げた。
【初音】「塔野沢さんのこともあったから……はっきり言ってしまいます」
【初音】「私、兄さんのこと、好きなんだ」
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夢の中にて
【暮羽】「吹上君の武器は……」
桐遠は目を細めて、俺の全身を眺めた。
【暮羽】「……拳? ふふっ、なんだか頼もしいじゃない」
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まどかのサポートを受けて、主人公はボダッハに立ち向かう
まどかは俺の腕に手を添えた。
するとそれだけで少し活力が湧いてくるような、そんな感覚を覚えた。
【まどか】「目を閉じて。この場合、視覚はかえって邪魔だよ」
【慎司】「分かった」
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