【春彦】
「ん…?」
【莉子】
「…やっぱりさ、…ここに居るの…霧乃ちゃんの方が良かった?」
【春彦】
「はぁ…? 何だ…急に?」
【莉子】
「…やっぱり、妹のあたしより、他の子の方が良かったのかなって」
【春彦】
「………あ?」
【莉子】
「あたし…見てたんだよ。お兄ちゃんが霧乃ちゃんと外に出てくの…」
【春彦】
「起きてたのか…?」
【莉子】
「仲良く…。手…繋いでたでしょ…?」
【春彦】
「ば…、あれは…霧乃が怖がってたから仕方なく…で」
【莉子】
「…ふーん…」
【春彦】
「……なんだよ?」
【莉子】
「………あたしね。…さっき…ずっと眠れなかったんだ」
【春彦】
「……」
【莉子】
「隣で…お兄ちゃんが寝返りうつ度に…ドキッとしてた…」
【春彦】
「……」
【莉子】
「寝ようと思ってたんだけど…、心臓がドキドキしちゃって……。うるさくて…眠れなかった…」
【春彦】
「……」
【莉子】
「…隣に居るの、…お兄ちゃんなのに…さ、…あたし…変かな?」
【春彦】
「…………変…だな」
【莉子】
「………うん」
【春彦】
「……俺たち、兄妹なんだからな」
【莉子】
「……うん」
【春彦】
「…まあ、それを言ったら、俺も変だな」
【莉子】
「え…?」
【春彦】
「…俺だって同じだったからな」
【春彦】
「俺も…。お前がすぐ側で寝てると思うと、なんか落ち着かなくてな」
【莉子】
「…お兄ちゃん…も?」
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